日々雑感2008
こんにゃくゼリー (2008年10月24日) | |
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先日テレビを見ていると、こんにゃくゼリーの某大手メーカーが製品の製造中止を発表するCMをしていて驚かされました。確かに最近痛ましい事件がありましたが、正直な所そこまでしなければいけないのだろうかという思いがあります。正月三日の新聞を見ると、毎年何人かはモチをのどに詰まらせて亡くなったという記事があるように思います。モチが良くてこんにゃくゼリーが駄目な理屈はなんだろうと考えてしまいました。同じように思われた方はけっこう大勢おられるようで、モチを食べることによって死亡する割合と、こんにゃくゼリーを食べることによって死亡する割合を計算している方がおられまた。それによると、ここ十年では、モチが原因で亡くなる確率は、こんにゃくゼリーの十倍という結果になっていました。この計算が統計的に正確なものかは分かりませんが、やはり、どこか釈然としないものがあります。 |
私」は一人、「あなた」は大勢という視点 (2008年10月3日) | |
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地元のニュースですが、腰痛の治療で入院中に、拘束具でベッドに縛り付けられたお婆さんが、病院に損害賠償を求めた裁判で勝訴したという記事を見ました。詳細は分かりませんが、この方は、看護師にオムツをはかされて抑制具でベッドに固定されたということです。そうされたことを家族にも黙っていたそうなのですが、人伝にそれを聞いた家族が、「なぜ自分達に言わなかったのか」と尋ねたところ、涙ながらに「そんな恥ずかしいこと言えるか」と答えられたということです。 |
お仏壇と仏さま (2008年8月9日) | |
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一般家庭のお仏間には、よく亡くなられた先祖の肖像写真が飾られていることがあります。その写真の取り扱いについて、ここのところ何件か立て続けに質問をいただく機会がありました。まず結論から言ってしまうと、仏事作法においては何の決まりもありませんから、それぞれの心持ち次第で好きにされればよいということになります。お仏壇の中のお飾りについては基本的な作法がありますが、お仏壇の中に個人的な写真をお飾りするということはありませんし、お仏壇の外のことは仏壇のお飾りとは無関係なことになります。写真云々については、仏事の問題ではなく風習の問題だと言えると思います。 |
人が人を裁くということ (2008年7月3日) | |
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痛ましい事件が続いています。秋葉原の連続殺傷事件や下校途中の女子高生が殺害された事件、マンションの同じ階の住人による女性殺害など、ここ数ヶ月だけでもいくつもの事件が思い出されます。連日放送されるそういった悲しいニュースを聞いていて、ふと気になることがありました。それは、「何の落ち度もない少女を襲った悲惨な事件」とか、「罪のない人々を次々と手に掛けた非道な犯人」という言い回しを度々耳にしたことです。もちろん言っておられる方に他意は無いのでしょうが、私のようなひねくれ者が聞いていると、「なにか落ち度のある人は殺されても仕方が無いということになるんだろうか?」「悪い事をした事がある人は酷い目にあっても当然なのだろうか?」と考えてしまいます。 |
住職就任のご挨拶 (2008年6月11日) | |
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この度、新しく阿弥陀寺住職に就任させて頂くこととなりました。寺伝によりますと、第二十代の住職になるということです。これを年数にすると五百年余りの歴史があるということになります。想像もつかないような長い時間を経てきているわけですが、お寺の歴史というのは、ただそこに建物があるというだけでは成り立ちませんから、この長い年数は、お寺を支えてきて下さった数え切れない方々の歴史だと言えます。そう考えると大変な重みが感じられます。 |
チベット問題 (2008年4月13日) | |
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中国政府のチベットへの対応に抗議して、各国で北京五輪の聖火リレー中に抗議活動が行われています。ところが、その様子は中国本土では一般市民に伝えられていないということです。やはり、事実を知り、自分で考え、思いを表現するという自由を、力で押さえつける中国の在り方は、とうてい同意できるものでありません。ただ、他国での事なので客観的にその怖さを知ることも出来るのですが、この日本でも、靖国神社を扱った映画の上映に圧力がかかったり、反戦ビラを自衛隊宿舎のポストに入れることが犯罪だとされるような近頃の状況を見ていると、知らない間に私達の目に触れないように遠ざけられてしまっている事実も沢山あるのだろうなと、何だか恐ろしい思いがします。 |
「いのち」の大切さ (2008年2月8日) | |
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ここの所の冷凍食品に毒物が混入していた事件の陰に隠れてしまって、あまり話題にされることがなかったのですが、先日、三人の死刑囚の死刑が執行されたという発表がありました。凶悪事件が多発している背景もあって、近年の調査の結果では、日本では死刑制度に賛成する人の割合がずいぶん多いそうです。私たち日本人には、大変な問題を起こしたら「死んでお詫びをする」という意識がまだ心の奥底に根強く残っているということなのでしょうか、大きな罪を犯した人は、自分の持っている一番大切なもの、つまり「いのち」を差し出して償うべきだという価値観が働いているように思います。 |
霊感商法で奪われるもの (2008年1月22日) | |
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NHKと民放がつくる放送倫理検証委員会が、昨年放送された霊能師が出演していたバラエティー番組について、出演者への配慮を欠き、非科学的なカウンセリングを押し付けた番組であったとする意見書を発表しました。そういえば、昨年末には警察官が霊感商法に関わっていたという事件がありました。この時には、ニュース番組などで事件の関係者が厳しく批判される一方で、同じテレビ局が、夜のバラエティー番組で心霊現象を扱った番組を面白おかしく放送しているのを見て、何か違和感を感じました。前世やオーラといった、特殊な能力を持った人にしか分からないとされるものを根拠に、出演者の恐怖を煽り、恫喝すらしている様子を見ると、霊感商法との違いはどこにあるのだろうかと考えさせられます。 |