日々雑感2015
活躍してますか? (2015年12月) | |
---|---|
先日発表された流行語大賞で、「一億総活躍社会」という言葉がベストテンに選ばれました。この言葉が「流行った」と言われると少し疑問ではありますが、確かによく聞かれるようになった言葉ではあります。そんなことで、しょっちゅうこの言葉を目にさせられているうちに、ふと、「活躍」するというのはどういうことなのかということが考えさせられてきました。 |
みんなと一緒 (2015年11月) | |
---|---|
「近ごろ物忘れがひどくなって…」という言葉をしばしばお聞きします。毎月やっていることなのに、お勤めの前のお給仕で、ロウソクをつけ忘れたり、線香をあげ忘れたりということはよくあることです。私自身も人のことは言えませんので、「みんなそんなものですよ」とお答えすると、「自分だけじゃなくてホッとしました」と言われることが多いです。 |
真似する智慧 (2015年10月) | |
---|---|
以前から絵を描くのが好きだった息子が、このごろ随分と整った絵を描くようになってきました。絵本などで見た表現の仕方をどんどん自分の中に取り入れて真似しているようで、こうやって人間は成長していくのだなと驚かされます。 |
積極的平和 (2015年9月) | |
---|---|
近ごろ政治の話でよく聞かれる「積極的平和」という言葉を提唱した学者が、日本で講演会を開かれたそうです。本来この言葉の意味は、単に戦争のない状況というだけでなく、貧困や差別のない社会状況を表すものだということです。つまり、一部の人たちだけの見せかけの平穏ではなく、文字通りすべての人が「平たく和する」ことが願われている言葉だということなのでしょう。 |
平和を願うということ (2015年8月) | |
---|---|
戦後七十年の終戦記念日がやってきました。いま世のなかでは、憲法違反も指摘される安全保障関連法案が衆議院を通過して、それに対する抗議の声がますます大きくなっています。本当に多くの方々がそれぞれの立場から声をあげておられるので、「戦争をしない・させない」という根本的な思いは同じであっても、その表現の仕方は多種多様に見られます。 |
雨ふりの日 (2015年7月) | |
---|---|
いよいよ本格的な暑さがやってくる時期になりました。梅雨の間は一雨ごとに草木が伸びて、庭の手入れもなかなか追いつきませんでしたが、今度は炎天下での草むしりが待っています。それでも、日本には四季があって、ほっと一息つける季節もあるのですから、それは有り難いことだと思います。 |
白寿 (2015年6月) | |
---|---|
よく、お参りの折に祖母のことをお尋ねいただくことがあります。おかげさまで、特別患っているところもなく、この連休には親族が集まって白寿のお祝いをさせて頂くことができました。一世紀近くを生きるということは私には想像もつかないことですが、長年一緒に暮らしてくると、何をしてくれるわけでなくとも、ただもうそこにそうして居てくれるだけで、何か心強いものが感じられます。そういう祖母の姿が、人間が人間であることの尊さとはどういうものか、その最も根本的な所を教えてくれているように思えます。 |
大人の責任 (2015年5月) | |
---|---|
近頃、お寺の駐車場で放課後の小学生たちが遊んでいる声が聞こえてきます。外から子どもの声が聞こえなくなったと言われて久しい昨今、喜ぶべきことなのでしょうが、正直なところ、ボールなどが飛び込んできて、境内や庭を壊しはしないかと心配にもなります。とはいえ、最近では公園でさえ自由にボール遊びができないこともあると聞きますので、他所でやるようにとも言えません。 |
怒りと報復の心 (2015年3月) | |
---|---|
裁判員裁判で死刑とされた判決が重すぎるとして、最高裁が判決を破棄する事例が何件か続きました。一般人が刑を判断する裁判員裁判では、被害者の感情に自分を同化させる人が多いため、刑が重くなりがちだということを耳にしたことがあります。ただ、ここで死刑が選ばれがちなのは、単に一番重い刑であるからというだけではなく、酷いことをした者は命でもって償うべきだという価値観を、私たちの多くが共有しているということも大きいのでないかと思います。 |
宗教と自由 (2015年2月) | |
---|---|
世界中で、宗教が原因の悲しい対立が続いています。ただ、ニュースとしては目にするものの、「自分の宗教」というものに比較的淡白な私たち日本人には、いまいち理解しきれないところもあるのでないでしょうか。もともと「家の宗教」という意識はあっても、「自分の信仰」を持つ人が少なかったところに、今では「家」という感覚すらあやふやになってきたため、私たちが宗教に関わる機会自体が激減しています。そのためか、近頃は、「親鸞聖人や仏教の思想には興味があるけれど、宗教はちょっと…」という声もよく耳にします。 |
フランス新聞社襲撃テロ (2015年1月) | |
---|---|
フランスでの新聞社襲撃テロを巡って、世界各国でさまざまな受け止め方がされてきました。テロ行為を非難する姿勢は共通するものの、フランスをはじめとしたヨーロッパ各国が風刺画を掲載した新聞社の姿勢を支持する一方で、イスラム教徒の感情を傷つける行為だとして、風刺画自体については疑問を呈する国も多くあったようです。 |