日々雑感2017
「消費者」でなく「主権者」の私 (2017年12月) | |
---|---|
今年もいろいろなことがありましたが、「いのちの尊さ」とは何なのかということを考えさせられる出来事が多かったように感じます。そうしたなかでも、今年十月に発覚した、神奈川県座間市での九人連続殺人事件はまだ記憶に新しいのではないでしょうか。この事件の容疑者は、自殺願望を語る人を言葉巧みに誘い出して殺害に及んだということですが、その容疑者の言っていた、「本当に死にたいという人はいなかった」という言葉にはとても考えさせられました。自殺を選ぶといっても、大部分の方は、決して「死にたい」わけではなく、「生きることに耐えられない」のだということです。死にたいわけではないのに死を選ばざるを得ないほどに自分に耀きが見いだせないのは、やはり悲しいことだと思います。 |
異常なこと (2017年11月) | |
---|---|
先日、お参りの際にお話を伺っていたところ、はっとさせられる話をお聞きしました。その方が近所のスーパーに買い物に行かれたところ、たくさんのお惣菜のならんでいるコーナーで、前からやってきた二人のおじいさんが、「一回りしてきたけれど、何にも食べたいものがないなあ。ぜいたくな世の中になったもんだ」と話しておられるのを聞かれたということです。確かに、物の少ない時代を経験されてきた方にとっては、食べ物が並んでいるのに食べたいと思えないのは異常に感じられることでしょう。言われてみればその通りなのですが、私自身は、それをまったく異常だとは気づいていませんでした。 |
北風と太陽 (2017年10月) | |
---|---|
このところ物々しいサイレン音が鳴り響くことが多くなっています。北朝鮮のミサイル発射に際してのJアラート(全国瞬時警報システム)ですが、5分かそこらで飛んでくるミサイルですから、もし弾頭が備わっていたなら、近場でいくら頑丈な場所に避難したところでどうにもなりません。どうも、いたずらに危機感ばかりがあおられているように感じられます。 |
忘れないって知性なんです (2017年9月) | |
---|---|
先月の広島・長崎の原爆の日には、日本にとどまらず世界各国でも平和を祈る行事が行われたようです。そういうなかで、当事国である日本が核禁止条約の批准を避け続ける姿が何とも情けなく映ります。悲劇の教訓は一体どこにいってしまったのでしょうか。 |
生まれによって賤しい人となるのではない。 (2017年8月) | |
---|---|
二重国籍を指摘された国会議員の方が、それを解消したことを証明するために自身の戸籍を公開されました。成人が他国の国籍も持っていることは国籍法に違反する恐れがあるということですが、それは司法関係で判断する問題であって、一般多数の人に公開することではないように思います。これを政治的判断というのであれば、そういう政治を志す方に、差別のない自由な社会を望むことができるのだろうかと感じてしまいました。 |
聞く耳 (2017年7月) | |
---|---|
先月の国会で、かなり難しい問題をはらむ法案が、丁寧に審議されることもなく成立してしまいました。その前には、国連特別報告者によって、この法案による人権侵害を懸念する書簡も届いたのですが、私たちの国はその言葉に聞く耳を持たず、自論を主張して抗議の意を示すだけでした。 |
不安な気持ち (2017年6月) | |
---|---|
今度は英国のコンサート会場で悲しいテロ事件が起こってしまいました。日本では、鬼の首をとったかのように「だから共謀罪が必要なのだ」と主張する政治家が相次いでいますが、共謀罪発祥の地である英国でもテロを防げなかった現実から、その実効性を疑問視する声も多いようです。 |
任せるという選択 (2017年4月) | |
---|---|
私には直接関係なかったのですが、先日、名古屋市長選挙が行われました。大方の予想通り現職市長が再選されましたが、投票率は著しく低迷したようです。この選挙に限らず、国政選挙でさえも、よく投票率の低さが指摘されています。先日の新聞にも投票を棄権された方の言葉が掲載されていましたが、「選びたい候補がいない」「誰がやっても同じ」「家事や子育てで忙しい」と言われると、ついつい私も納得しそうになってしまいます。 |
怪しい人? (2017年3月) | |
---|---|
先日、当寺の近所で不審火による住宅火災があり、しばらくの間は、月参りに伺いましても、その話題一色でした。負傷者のいなかったことが不幸中の幸いでしたが、損害を被られた方には心からお見舞いを申し上げたいと思います。 |
覚醒剤やめますか、それとも人間やめますか (2017年2月) | |
---|---|
私がまだ小学生のころ、テレビで「覚醒剤やめますか、それとも人間やめますか」というフレーズが流れ、たいへん流行したことがありました。子供ながらに覚せい剤の恐ろしさを感じたことを覚えています。ですから、効果的な良いキャッチコピーだと、つい先日までは思っておりました。 |
大雪 (2017年1月) | |
---|---|
年明けから寒い日が続いています。そういえば、昔と比べてここ数年、この辺りでは雪が降ることが少なくなってきたように思います。それだけに、慣れない雪が降ったときには、より一層あたふたと大騒ぎしてしまっています。 |